リレー小説「秘密」上:木村蜜実

木村蜜実  2009-09-17投稿
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あの落ちていたTシャツの持ち主は…あの人。

そして…直子か洋子かわからない…。

(どうしたらいい…?)

「何でそんな顔で見つめるの?…もしかして、あたしがどっちだかわからないの?」

(わからない…。いや…わかる。)

洋子なら派手な携帯。
ユーリは彼女がにぎりしめている携帯電話を見る。

シンプルな携帯。

間違いなく直子…。

でも、せっかく洋子と入れ代わったと言うのに、何故今更直子が出てきたのだろうか…。

「ユーリちゃん。俺ら行く所があるんだけど、ついて来る?」

「行く所って…?」

ユーリは不安になる。
今までにない…。なんとも言えない気持ち。

「そんな顔しないで。ねっ。俺らと行こう。」
自分でもわかっていた。ユーリの表情は硬直したままだった。

このままついて行く方が無難かもしれない…。

そう思いユーリは頷いた。



いつまでも口を閉ざし、頭の中で整理をする。

悪意があるように見えない直子と、ユーリがときめいた男性。

繋がりはただ一つなはず。

向かったその先には、あの洞窟…。

真夏だとゆうのに、ユーリの体から血の気が引き、体か震えた。

ためらいを見せた瞬間、ユーリは見たくないものを目にしてしまう…。
もう一人の男性と、多分洋子と思われる女性…。

女性は岩にもたれ倒れている。

(なんなの…?どうゆう事…?)

ユーリの胸の音が高まり、周りに響く。

「大丈夫よ。気を失ってるだけだから。」
直子はユーリに微笑んで呟いた。

「俺達、ここで待っていたんだよ。」

(待っていた?)
ユーリの頭の中は混乱し始めた。
自分の知っている人物が、今はよくわからなくなっている。

しかも、自分が思いを寄せている人物まで………。

「直子…?どうゆう事?」

言葉は洞窟内で響きわたる。

「どうゆう事って…。」
直子の視線は彼に向けられる。
それに気づき、ユーリも彼に視線を向ける。

ユーリは息を飲んだ…。

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