西暦2035年 5月25日
良須賀軍事学校・模擬演習場
オペレーター
『こちらアンカーヘッド。
ホース2、応答願います』
???
「こちらホース2。
アンカーヘッド、どうぞ」
そう無線が入ると私はあらかじめ言い渡されたコードを言い、指令部であるアンカーヘッドに通信を返した。
オペレーター
『B3エリアより補給物資の要請があった。
直ちにホース5、ホース6を連れて補給物資を運搬してもらいたい、それと第6歩兵中隊も連れていってもらいたいんだが?』
???
「了解した。アンカーヘッド」
その後、補給物資を積み、歩兵部隊が乗り込むと私は輸送ヘリコプターを目標に向けて発進させた。
発進してから数分後、隣に座っている副操縦士の片山光(かたやま こう)が話し掛けてきた。
片山
「それにしてもついてねぇよな〜
なんで俺達がヘリに乗らなきゃならないだ?」
???
「そんな事を言わない。
飛行科、何だから仕方ないでしょ」
片山
「お前はいいよ、成績いいんだから。そうだろ?成宮」
そう言われると私、成宮スバル(なりみや すばる)はムスッした顔をして片山を見た。
スバル
「そうね。でも私はただあなたより努力しているだけよ」
片山
「……きっついな」
スバル
「さ、そろそろ敵も気付くはずよ。警戒、よろしく」
片山
「敵っても同じ学校の生徒なんだがな」
片山はレーダーを見ながらそう言った。
そう今、私たちが戦っているのは同じ学校の生徒なのだ。
春期合同模擬演習……毎年、春と秋に行われる行事で全校生徒が2チームに分かれ、拠点にあるフラッグ取るという形式である。
演習は限りなく実戦に近い形で行われるが、もちろん実弾などは使わないが実弾に近い衝撃弾を使うので怪我人も出る………まさに実戦さながらである。
そうこうしている間にどうやら目的地に近づいたようだ。
片山
「見えたぞ!あそこだ!」
スバル
「くっ!…まずい、あのままだと!」
見ると敵側の機甲科の戦車が3車輌がそこに攻撃を加えているわかった。