興奮していたエリンは、そっと腕を下ろした。
優しく涙を指で取り、おでこにキスをする。
エリンは僕に抱き着き、耳元にキスをする。
少し離れ、見つめ合う。
そして唇を重ねた…。
優しくて、切なくて、甘い…今までとは違う温かすぎるキス…。
「エリン…。家に帰ろう。」
静かに頷くエリン。
帰り道は2人共黙ったまま歩く。
何も言わなくても、手を繋ぐだけで、心は落ち着いていた。
家に着くと、床に座りこんだ。
段々、僕の方が落ち着きがなくなる。
「なっ…何か飲むか?」
立ち上がろうとすると、腕を掴んだ。
「ハーン…。」
頬を赤くして、愛しい瞳で僕を見る。
「抱いてくれないの…?」
ドキンとした。
初めてみる表情。
「あたしじゃ…ダメ?」
「ダメじゃない…。お前じゃなきゃ…俺は…。」
僕は優しく抱きしめた。
エリンも背中に手をまわし、僕の胸に顔を埋めた。
「ハーン…あったかい。」
そう呟いてキスをする。
何度も唇を重ね、指を絡ませ、
「愛してる。」
と互いに囁く。
大切だから守りたい。
大切だから愛していたい。
大切だから…。
指命があってもなくても、エリンを愛するとゆう運命はかわらなかっただろう…。
僕は
エリンを愛してる。
朝になろうとした。
カーテンから光りが差し込む。
「おはよ♪」
気が付くと、エリンが横で微笑んでいた。
いつものエリンだ。
「おはよう。もう起きてたのか?」
「うん。ハーンの寝顔がおかしくて♪」
いつものように冗談を言う。
その笑顔にはもう、不安のカケラさえ見えない。
「なぁ、エリン…。」
「なぁに?」
僕は、以前から考えていた事を口にする。
「俺ら、一緒に暮らさないか?」
ビックリした顔で僕を見た。
そして笑って、
「うん。一緒に暮らそう♪」
と笑顔で答える。
笑顔のエリンに、僕は安心感を得られた。
「……あの〜もう起きましたぁ?」
ふっと後ろを見ると、死神の姿が………。