「うわっ!!なんでいんだよ!!」
僕等は布団で体を隠す。
「しっ死神様…!いつからそこに…。」
「いつからって…さっきから…。」
死神は顔を赤らめて答える。
「おい!!いきなり来るのやめろよ!!プライバシーの侵害だぞっ!!」
「いや〜悪いね〜エリンを連れて来るように言われてさ…。」
「俺がばあさんとこ連れてくから、帰れよ!!」
僕は死神を追い払う。
「あ〜わかった。じゃあ帰るからな〜。」
そう言って姿を消す。
(なんてヤツだ!!)
僕はベッドから降りて服に着替える。
エリンは耳まで真っ赤にして服を着はじめた。
少し落ち着き、エリンを連れてばあさんのトコまで………。
家の前で、エリンは僕をじっと見る。
「どうした?入んないのか?」
「お祖母様…もう消えちゃうのかな…?」
今にも泣きそうな顔で、部屋に入ろうとしない…。
「…どうだろな。とにかく入ろう。」
エリンの手を引っ張り、ドアを開けた。
「やだ!!入んない!!」
僕の手を振り払って睨みつける。
「ダダこねたってしょうがねぇだろ?行くぞ。」
「う〜。ばかぁ〜。」
(ばかって………)
部屋に入ると、ばあさんは龍族の民族衣装をまとい、なにやら呪文を唱えている。
少しその姿にビックリする…。
「…なにやってんだ?」
指差しながら死神に聞く。
でも、死神は黙ったままだ。
「死神さま…。」
エリンは死神の腕を掴み揺さぶる。
「………エリンの為にやっているんだよ。」
エリンの髪をなでながら呟く。
「あたしの為…?」
ばあさんの体から沢山の妖力が溢れ出す。
その力は、ばあさんの目の前にある小ビンに吸い込まれていく。
「大丈夫なのか?妖力吸い取られてんぞ?」
僕は心配になり、死神の顔を見る。
「いいんだよ。ちょっと黙って見てろって。」
しばらくして、ばあさんはその場にじゃがみこむ。
「お祖母様!!」
妖力をほとんどあの小ビンに入れ、ばあさんの力は残っていないのがわかる。
エリンの頬をさすり、
「お前が真のペンドラゴンになる日がきたんじゃ…。」
と呟く。
ばあさんがもうすぐ消えてしまう…。