DRAGON LOVER 34

木村蜜実  2009-09-18投稿
閲覧数[405] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「うわっ!!なんでいんだよ!!」
僕等は布団で体を隠す。

「しっ死神様…!いつからそこに…。」

「いつからって…さっきから…。」
死神は顔を赤らめて答える。

「おい!!いきなり来るのやめろよ!!プライバシーの侵害だぞっ!!」

「いや〜悪いね〜エリンを連れて来るように言われてさ…。」

「俺がばあさんとこ連れてくから、帰れよ!!」
僕は死神を追い払う。

「あ〜わかった。じゃあ帰るからな〜。」
そう言って姿を消す。

(なんてヤツだ!!)
僕はベッドから降りて服に着替える。
エリンは耳まで真っ赤にして服を着はじめた。




少し落ち着き、エリンを連れてばあさんのトコまで………。

家の前で、エリンは僕をじっと見る。

「どうした?入んないのか?」

「お祖母様…もう消えちゃうのかな…?」
今にも泣きそうな顔で、部屋に入ろうとしない…。

「…どうだろな。とにかく入ろう。」
エリンの手を引っ張り、ドアを開けた。

「やだ!!入んない!!」
僕の手を振り払って睨みつける。

「ダダこねたってしょうがねぇだろ?行くぞ。」

「う〜。ばかぁ〜。」
(ばかって………)

部屋に入ると、ばあさんは龍族の民族衣装をまとい、なにやら呪文を唱えている。
少しその姿にビックリする…。

「…なにやってんだ?」
指差しながら死神に聞く。
でも、死神は黙ったままだ。

「死神さま…。」
エリンは死神の腕を掴み揺さぶる。

「………エリンの為にやっているんだよ。」
エリンの髪をなでながら呟く。

「あたしの為…?」

ばあさんの体から沢山の妖力が溢れ出す。
その力は、ばあさんの目の前にある小ビンに吸い込まれていく。

「大丈夫なのか?妖力吸い取られてんぞ?」
僕は心配になり、死神の顔を見る。

「いいんだよ。ちょっと黙って見てろって。」






しばらくして、ばあさんはその場にじゃがみこむ。

「お祖母様!!」
妖力をほとんどあの小ビンに入れ、ばあさんの力は残っていないのがわかる。

エリンの頬をさすり、
「お前が真のペンドラゴンになる日がきたんじゃ…。」
と呟く。

ばあさんがもうすぐ消えてしまう…。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 木村蜜実 」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ