なんで淋しいって?
スグルくんはいつも自分を作っているから。
かっこよく見せたいとは違う。
何かの影を隠すかのように明るく堂々と振る舞う姿が痛々しかった。
それでも、スグルくんはスグルくん。
私は気を取り直して笑顔で
「行こう☆」
と言った。
日曜の人込みはすごい。
スグルくんと離れてしまいそう。
でも、スグルくんは私のスピードに合わせてくれているのがわかる。
長身だから私を見つけるのは簡単だろうな。
スグルくんに見とれていると突然スグルくんが私の腕を掴んだ。
「人にぶつかるところだったよ。」
スグルくんの触れたところが熱い。
「ありがとう。」
と、照れ臭そうに私は言った。
映画館に着くと見たい映画の時間を調べた。
そして、2時から始まる映画のチケットを2枚買った。
内容はラブストーリー。
映画には時間があるのでお昼にしようと映画館を出た。