今日も校庭で練習している野球部やサッカー部の掛け声を聞きながら、黙々と絵を描いている。
大嶋くんに私の気持ちを知ってほしい…
そう思ったものの、想いを伝えるのは、正直、こわい…。
せっかく大嶋くんと話せるようになったのに、もし告白して、今の関係すら崩れたら…
大嶋くんとのつながり、何もなくなってしまう。そう思うと足がすくむ。
あの時確かに気持ちを伝えたいって強く思った。でも、…こわい。
あの日から1週間、ずっと堂々巡りしている。
「花、私ね…」
花に相談するのもなんだか緊張してしまう。
「私…あのね…」
なかなか言葉が続かない。
「大嶋?」
花が気を遣ってくれて、やっと大嶋くんの名前が出た。
私は熱くなる顔を両手で押さえながら、深呼吸をする。
「こっ…くはくしようと思う…」
声が裏返ってしまった。
「なんか…なんか前はこのままで十分って思ってたの。だけど、なんかこのままじゃいられなくなっちゃったってゆーか…なんか前よりもツラいときがあったりして…」
私のまとまらない話を、花は黙ってずっと聞いていてくれていた。
ひとしきり話した所で、花が口を開いた。
「…うん。きっと優はもっと自分のこと知ってほしくなったんだよ。優も大嶋と話せるようになって、もっと大嶋を知りたくなったんだよね」
花は笑顔で言葉を続ける。
「なんか…欲張りみたいかな…。前なんて大嶋くんと話すことすらできなかったのに」
「何言ってるの!恋愛は欲張りじゃなきゃ!」
花に肩を軽く叩かれ、なんだか元気が出てきた。
気持ちを伝えるのはこわいけど、伝えなければ、ずっと永遠に大嶋くんに私の気持ち、届かない。
私の勇気、全部使って、伝えよう。
続く