リビングへ着いた途端にえりかさんは変貌した。
えりか『今日こそ死んでもらうわよ。
このまま私がおとなしくしてるとでも思ったの?
相変わらずバカな女ね。』
いずみ『私を殺しに来たの?』
えりか『そうよ。
アラタは渡さない。あたしだけのものなのっ!』
沢渡えりか………
私は彼女の本気を知った。
包丁を握っている。
殺されるかも知れない。
私はポケットに入っている携帯のボタンを押した。
アラタ…気付いて。
私はなるべく携帯に声が届くように大きな声で話した。
いずみ『えりかさん質問してもいい?』
えりか『いいわよ。』
いずみ『これからアラタとどうするの?』
えりか『そうね〜、あなたを殺して、時効が来るまでは大人しく過ごすわ。』
いずみ『完全犯罪ってわけね。』
えりか『そう。難しい事じゃないもの。』
いずみ『私を殺してアラタの心が手に入ると思う?』
えりか『あなたさえいなければ手に入るわ。
心も変えてみせる。アラタはあなたを失いたくないって私に言ったわ。
だからアラタの1番大切なものを奪えば私しかいなくなる。
あなたがいなくなれば私に必ず戻ってくるわ。』
いずみ『私を殺したってアラタは取り戻せないわ。』
えりか『くだらない話しはここまで。
死ぬ前に言いたい事はない?
言ったところでもうアラタには会えないけどね。
あーハッハッハッ』
沢渡えりかは笑った。
…その時だった。
えりかは急に表情を変え包丁を握ったまま私に向かって走ってきた。
ブスッ………鈍い音
『うっ!』
いずみ『アラタ!!!』
私の代わりに刺されたのはアラタだった。
続く…。