「藤本!」
「は、はい」
「晶が世話になってるらしいな、まじで、ありがとな」
女連中に頭を下げた時のように
今度は、オレの目の前に来て
オレに向かって頭を下げてきた
仁先輩に頭を下げらるなんて
多分、同じ事をされた女連中以上にビックリして戸惑っているオレ
「そんな、仁先輩、頭上げて下さい」
その光景に、あまりにも困ったオレは
なぜか、思わず仁先輩より更に深々と頭を下げてしまった
丁度その時
非常階段の重い扉が開く音がした
きっとヒロ達だ!
そう思ったオレは下げていた頭はそのままで
顔だけを扉の方へと向ける
思った通り、ヒロとコッスーと佐野
それに、いつもここに居るが、口数がそう多くないため影のうすいマサちゃん
オレと女連中以外の、いつもの四人が
当然仁先輩が居る事など知るはずもなく
ゲラゲラと笑いながら、いつもの調子でやって来た
それに気付いた仁先輩も
やっと下げていた頭を上げ
扉の方に目をやった。