ポジティブ・アクション41

ミッシェル  2009-09-20投稿
閲覧数[674] 良い投票[0] 悪い投票[0]


薄暗い繁華街の路地裏。

そこに、黒いタンクトップを着たゲイリーの姿があった。

そしてその背後には、三名の部下達。

彼等4人は、足元に転がる死体を見つめて深くため息をついていた。

目を潰されている者、腕が異常な方向へ折れ曲がっている者、口から血を流し倒れている者…。

…そして首を深く斬り裂かれているウォーレン。

彼の周りは赤黒い血溜まりで満たされていた…。

「何て事だ…。ウォーレン、まさかお前が…」

ゲイリーは悲しい表情を浮かべながら、そっと開かれているウォーレンの瞳を閉じさせた。
自分の右腕的存在である最も信頼していたウォーレンの死。

これはまさに彼にとって衝撃的な出来事であった。

…その時。

背後にいる部下達の一人が、何かに気付く…。

「ボス! 生きている者がいます!」

「何!?」

ゲイリーは直ぐに振り返り、その部下の元へと駆け寄る。

「こいつです」

…部下が注ぐ視線の先。

そこには口から血を流し、懸命に口を開こうとしている男の姿があった。

「お、おい! 大丈夫か!」

ゲイリーはすかさず、その男の肩を揺さぶりながら必死に声をかける。

「ぼ、ボス…」

すると、彼はゲイリーの呼び掛けにより意識を徐々にハッキリとさせていき、ゆっくりと壁にもたれかかった。

「おい! 一体何があったんだ!」

「あの男に…やられた」

「あの男?」

男は続ける。

「ディアスの幹部です…。長い髪に、コートを着た…」

「そいつ一人にお前等がやられたのか? 何て野郎だ…。そいつの居場所は分かるか?」

「わ、分かりません…」

「…そうか」

そう答え、ゆっくりとゲイリーは立ち上がり蒼く輝く空を見上げる。

「野郎…」


続く



i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ミッシェル 」さんの小説

もっと見る

アドベンチャーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ