DRAGON LOVER 36

木村蜜実  2009-09-20投稿
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ひとまず王族を倒さなければ、先には進まない。

しかし、もう怒りに狂うエリンを止められない。

「エリン!もう戦うっきゃないぞ!いい加減機嫌直せ!!」

「やだ!!みんなキライ!!お祖母様を見捨てたりして…。きらいよ!!」

その時、エリンがにぎりしめていた小ビンが光り輝く…。

思わずみんな目を閉じる。

『エリン…。早く涙を飲みなさい…。』

「お祖母様…。」

エリンの動きが止まる…。

『お前はわしの意思を受け継ぐ者…。わしはお前の中で生き続ける。お前は神の使えし者…。皆が必ず守ってくれるじゃろう…。お前はこの世界を守っておくれ…。』

やがて声は消える。
エリンは、決心したかのように、涙を飲み干す。

が………。

「おい…。なんともねぇじゃねぇか…。」
死神のえりを掴み睨みつける。

「あれ??おかしいなぁ…。ちゃんと手順通りやったのに…。」
首を傾げて、目を点にする。そんな顔に段々腹が立ってきた。

死神をほっぽり、僕はエリンの側へ…。

「なんともないのか…?」
頷くエリン。

「なんかさ…こう…体が熱い〜とか、気持ち悪い〜とかないわけ?」

「ないよ。」
膨れっ面のエリン。

(なんなんだよ〜。)
頭を抱えて考える。

「おい!考えてる暇ないぞっ!とりあえず、外の連中をどうにかしなきゃ…。もうケッカイももたないぞ!!」

怒鳴る死神に、エリンのイライラが限界を超えた。

「ばっかじゃないのっ!!何が真のペンドラゴンよ!!嘘つきぃ〜!!」

妖力を解放すると同時にエリンの体は金色に輝く…。

ばあさんが変身をした時と同じ…。







真のペンドラゴン…。







家は崩れ、金色の光りが立ち上る。

エリンは、ペンドラゴンになった…。

目も眩むほどの光りに僕は無理矢理目を開けた。

「エリン!!」
叫ぶ声は届かず、我を忘れて奇声をあげる。

恐ろしいほどの妖力…。



これが…ペンドラゴン…。

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