ひとまず王族を倒さなければ、先には進まない。
しかし、もう怒りに狂うエリンを止められない。
「エリン!もう戦うっきゃないぞ!いい加減機嫌直せ!!」
「やだ!!みんなキライ!!お祖母様を見捨てたりして…。きらいよ!!」
その時、エリンがにぎりしめていた小ビンが光り輝く…。
思わずみんな目を閉じる。
『エリン…。早く涙を飲みなさい…。』
「お祖母様…。」
エリンの動きが止まる…。
『お前はわしの意思を受け継ぐ者…。わしはお前の中で生き続ける。お前は神の使えし者…。皆が必ず守ってくれるじゃろう…。お前はこの世界を守っておくれ…。』
やがて声は消える。
エリンは、決心したかのように、涙を飲み干す。
が………。
「おい…。なんともねぇじゃねぇか…。」
死神のえりを掴み睨みつける。
「あれ??おかしいなぁ…。ちゃんと手順通りやったのに…。」
首を傾げて、目を点にする。そんな顔に段々腹が立ってきた。
死神をほっぽり、僕はエリンの側へ…。
「なんともないのか…?」
頷くエリン。
「なんかさ…こう…体が熱い〜とか、気持ち悪い〜とかないわけ?」
「ないよ。」
膨れっ面のエリン。
(なんなんだよ〜。)
頭を抱えて考える。
「おい!考えてる暇ないぞっ!とりあえず、外の連中をどうにかしなきゃ…。もうケッカイももたないぞ!!」
怒鳴る死神に、エリンのイライラが限界を超えた。
「ばっかじゃないのっ!!何が真のペンドラゴンよ!!嘘つきぃ〜!!」
妖力を解放すると同時にエリンの体は金色に輝く…。
ばあさんが変身をした時と同じ…。
真のペンドラゴン…。
家は崩れ、金色の光りが立ち上る。
エリンは、ペンドラゴンになった…。
目も眩むほどの光りに僕は無理矢理目を開けた。
「エリン!!」
叫ぶ声は届かず、我を忘れて奇声をあげる。
恐ろしいほどの妖力…。
これが…ペンドラゴン…。