「ハーン…起きてよ…。」
気が付くと、僕の家にいた。
エリンはずっと泣いていたに違いない…。目元が腫れて赤くなっていた…。
「エリン…。大丈夫か?」
僕はエリンの髪を触り、口元へもってくる。
「あたし…。ハーンに酷い事…。」
僕は起き上がり、エリンの頬にキスをする。
「いいんだ…。気にすんな…。思ったより楽しかったし、お前とのバトル。」
笑いながら僕はエリンにもう一度キスをしようとした…が…。
「あの〜俺もいるんですけど〜。」
申し訳なさそうに、死神が割り込んでくる。
「最初から居るって言えよ!!変態!!」
いつもいいときに邪魔をする。
「そんなに怒るなよ〜俺のお家ぶっ壊されたし…。」
しょんぼりする死神。
それを見たエリンは…。
「ごめんなさい死神様…。」
そしてエリンもしょんぼり…。
「あっ!いいんだよエリン!怒ってないよ!」
エリンには甘い…。
それがとても腹立つ。
「エリン…覚えてるのか?自分がペンドラゴンに変身した時…。」
「うん…。最後の方は…。禁断の魔力の呪文が聞こえて、それで気が付いた。」
「これからも、変身したら自分を忘れてしまうのか…?」
「そうはならないけど…。」
俯いて、何やら悩んでいる。
「…?どうした?」
「あのね…さっき、少し試してみたんだけど、どうしでもペンドラゴンにならないんだよね…。」
エリンは何故だかわからないと言う。
死神は…。
「多分、まだコントロールが出来ないでいるんだよ。今は感情の高ぶりとかでペンドラゴンになるみたいだけど…。慣れるまでは仕方ないかもな…。」
ばあさんが消えてしまって、エリンには重い重圧がかかる。
それを守っていく僕にも、重くのしかかる…。
「エリン…。心配すんな。必ず俺がそばにいるから…。」
強く手を握り、エリンの顔を見つめる。
「所で…死神はこれからど〜すんだ?家壊れたんだろ?」
「それ…なんだけど…ここにいていい??」
かわいく問い掛けてくる死神…。
腹立つ顔…。
「わぁ〜♪死神様も一緒に暮らすの〜?」
嬉しそうにはしゃぐエリン…。
もう…どうにでもして…。
5章 終り