ぼくは渋々ながら玄関へ辿り着きドアを開けた。
すると―――。
「たらいま〜☆忘れ物したの〜ん。や〜ん。ボク大失敗なの〜♪」
明るい調子っ外れな姉の声がした。
「いや〜失敗しょっぱい。…あれ?拓真おとーとは〜?」
拓真は兄の名前だ。姉の方が兄因り年上なのだ。
「もーガッコ行ったよー」
すると姉は怪訝な顔をした。姉は嫌がるだろうがその表情は凄く兄に似ている。
「あれ〜?キミ達はなかよろしだからてっきり一緒かと思ったのに〜☆いもうとよ!滔々おとーと離れか〜?」
違う。抑、そんなに仲が良かったっけー?
「あ〜。そっか。今の橋垣港は違うか〜」
姉は納得顔だがぼくには何が何だかさっぱり分からない。