部屋に戻りソファーに座る
目の前のテーブルに
広告類を投げ出す
もう一度
例の手紙を確認する
なんで、あいつらへの
ファンレターがここへくるんだ
俺はまだ寝起きの
頭を働かす
そういえば、
マンション(ここ)の
管理人が言ってたな
この部屋って
前はなんかの事務所に
使ってたんだっけ
でも、
あいつらの事務所だなんて
聞いてない
広告の上に
その手紙も投げた
あとで管理人に
渡せばいいだろう
冷蔵庫の弁当の残りを
取り出し
レンジに入れた
用意をすませ
弁当食って
バイト先の居酒屋へ向かう
「あら、由香ちゃん、
今日も来てくれてたの?」
「あ、はい
お邪魔してます」
私の言葉を最後まで
聞かずにおばさんは
買い物袋をさぐりながら
一人で喋り続ける
「ごめんねー
今コンビニに寄っててね
よかったわー
ちょうどプリンを見つけて
おばさん、
つい買っちゃって…
あのこすきだったでしょ」
まるで本人が
そばにいないように話す
まあ、あのこは今
いないようなものだ
よかったらと
差し出されたプリンを
受け取った