俺らがいろんなところに
送りまくったあの曲を
聞いたとある社長が
目をつけてくれたらしかった
その日のライブのあと
俺らのデビューが決まった
「やったな!拓也
俺いつかこの日がくること
わかってたよ」
直人は子どものように
はしゃいでいた
「これからもっと
大変なんだろうな…」
それとは対照的に
真治は落ち着いていた
その日のライブと
デビューのお祝いとする
3人での飲み会から帰った時
俺は決意していた
事実を彼女に話すことを
――彼からの手紙は、
相変わらず優しさが
溢れているように感じた
ただ私はやはり
少なからずショックをうけた
でもそれと同時に
ほっとした
そっか、
愛のすきなバンドの人じゃ
なかったんや
手紙には何べんもごめん、と
書かれていた
そして君のおかげで
夢に向かって進むことが
できました
と感謝の気持ちも
のべられていた
――いつか愛のもとにも
俺らの曲が届けばいいのに―\r
聞きたいな
私に向かって歌う歌声を