私は高校に行った。
無論、彼とは違う高校だった。
また同じ部活に入った。その部活は入る前は何も聞いてなかったが入ってから分かった。
練習内容が目茶苦茶で半端の無い、正にスパルタとはこの事かと思うくらいきつかった。
同時に仲間が出来た。
仲間と言っても、ただ単に部活を一緒にしている奴らなんだが。
夏休み前、部員は全員で15名ほどいたのだが、私が廊下を歩いてる時、その中の10名が職員室へ歩いて来るのをすれ違った。
最初、何かやらかしたのだろうと思った。
後から聞いた所、彼らは部活を辞めたいと言い始めた事が分かったが、私は彼らを引き止めようともしなかった。
どうせ、三年経てばもう関わる事もないし知った事かなどと思い‥‥
そしてホントに辞めてしまった。
その時になって後悔した。
だが、今更もう遅かった。
これで部員は数名になった。
それからと言うものの、毎日少人数で猛烈な練習の日々が続いた。
この時くらいから私の中で何か変わった。あの卒業式とは正反対の何かが‥
練習後、部員とジュースを飲みながら帰った。
皆で他愛の無い話を語り合ったり、ふざけあったりした。
試合で負けて自分の部活を馬鹿にされた時、悔しかった。
私はこれまで感じた事の無い何かを感じる事が出来た。
ずっと、この部員と部活したいと思えるようになった。
そして春、新入部員が入って来た。強くはなかったが、数だけは多かった。
そして総体。
私の願いも儚く、負けてしまった‥
私は泣いてた。卒業式の時は泣かなかったのに?不思議と先輩達への最後の言葉を口にしながら、顔が皺くちゃになっていく自分が分かった。
どうして?何時だって会いたい時は会えるのに‥
そうじゃない、そのせいで泣いてるのでない。
もう一緒に部活が出来ない事、同じ物を追い求める事がない事に泣いてるのだと思った。
そして三年が引退した。