鼓動が激しい。
頬は熱く、更に緊張から涙はいっこうに止まってくれない。
涙を必死に拭いながら、大嶋くんの返事を待っている。
ほんの数秒が、何分、何十分に感じられた。
「僕は…」
大嶋くんが口をひらく。
「廣瀬さんの気持ち、すごく嬉しいです」
大嶋くんは私の目を見て、ハッキリとした口調で言った。
「でも…僕、好きな人がいるんです。もうずっと前から…」
「…あ…そうなんだ。ごめんなさい、なんか…。ごめんなさい」
私は頭を下げると走ってその場を後にした。
後ろで大嶋くんの声が聞こえたような気がしたけど、走り続けた。
ただ気持ちを伝えられたら、結果がどうであれ、いいと思ってたつもりだった。
そんな事、キレイゴトだった。
本当の本当は、大嶋くんが私のこと少しは気にかけてくれているんじゃないかって…
大嶋くんと付き合いたいって…
思ってた。
続く