パパは、つりが得意だ。
海でも、川でも、湖でも、行った先ではかならず大物をつってくる。
「でも、パパがつったいちばんの大物はママなんだけどな」
これがパパの口ぐせだ。
ぼくには意味がわからないけれど。
昨日もパパは、いつものようにつりにでかけた。
それなのに、朝になっても帰ってこない。
心配になったママとぼくは、パパの行きそうな海や、川や、湖をさがしまわった。
そうさく願いも出して、おおぜいの人でさがした。
それからしばらくたって、パパは首をつった姿で発見された。