「がはっ…」
銃弾は男の胸を捉え、そのまま心臓を貫いた…。
男は絶望の眼差しでデイビッドを見つめ、前のめりに倒れて彼に覆い被さる。
「スティーブ…」
デイビッドはそう呟くと、覆い被さる男を両手でゆっくりと退かす。
「父さん…。父さん!!」
息子のアンソニーは、泣き喚きながら男に駆け寄ってしがみついた…。
「こ、殺しちゃった…。俺…どうすれば…」
スティーブは両手を震わせ、地面に両膝を着いて力無くうなだれる…。
「スティーブ…。悪かった…。俺の所為だ。やはりお前を連れてくるべきじゃなかった…」
スティーブの頭に手を置き、悲しみに暮れるアンソニーの瞳を見つめる。
「ああ…。父さん…。うぅ…よくも、よくも父さんを!!」
大粒の涙を流しながら、彼はひたすら叫んだ…。
…声が枯れるまでずっと。
「ハッ…!」
目を大きく見開き、スティーブは勢い良く起き上がった。
顔中に汗が溢れ、頬を伝って汗がこぼれ落ちる…。
「ふぅ…。くそっ」
彼は顔の汗を無理やり手で拭き取り、少々ふらつきながらもベッドから下りる。
やがて寝室の扉を開けると、彼はそのまま真っ直ぐキッチンに向かった。
「あら、起きたの」
背後から聞こえた声に、スティーブは振り返り、
「姉さん…。あ、そうだ煙草あるか?」
スティーブはそう言いながら、冷蔵庫からオレンジ・ジュースの入ったペットボトルを取り出した。
「あんた、忘れたの? 私はもう吸ってないよ」
「あっ、そうだったな。確か、アンディが煙草の煙を嫌うから止めたんだったよな。大丈夫だ、忘れてないぜ」
コップにオレンジ・ジュースを注ぎ込み、彼はそれを一気に飲み干した。
続く