ポジティブ・アクション44

ミッシェル  2009-09-23投稿
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ジュースを飲み干したスティーブは、キッチンからリビングへと歩いていく。

「そういえば、アンディとメアリーは?」

辺りをキョロキョロ見回しながら、ジュリーに尋ねた。

「そこのソファーで寝てるよ。ずっとゲームしていたわ」

ジュリーが指差すソファーには、案の定寝息をたてているメアリーとアンディの姿があった。
窓から吹き抜ける風を存分に浴び、心地良い寝顔を浮かべている。

「アンディ可愛いなぁ。メアリーも、天使みたいだ」

彼は呟くと掌でアンディの頭を優しく撫で、メアリーの頬にキスをする。

その後も、スティーブは愛情の籠もった眼差しでメアリーを見つめた。

その瞳はまさしく、彼女に“愛してる”と言っているようであった。

「姉さん、煙草買いに行くよ」

スティーブは視線を2人から、ジュリーに移す。
「ああそうだ。ついでにビールも買ってきて」

「ビール? ああ分かった」

ジュリーからビールの代金を預かり、彼はポケットへと仕舞った。

「車貸そっか?」

「いや、良いよ。スーパー直ぐそこだろ? 歩いていくよ」

スティーブはジュリーにそう告げ、スーパーに向かっていった。

(ふぅ…。せっかく忘れていたのに、あの夢の所為で思い出してしまったぜ。くそっ…。何故今になって…)

道中、彼は頭の中で色々な思いを巡らせていた。

…思い出したくない過去の記憶。

それが蘇った事により、彼の心は大きな重圧感で満たされた。

それと同時に、自分に迫る身の危険を僅かながら感じ始めていた。

(バカだなぁ。こんな所を連中に見つかれば、一発で終わりじゃねぇか…)

そんな彼だったが、気付けばスーパーの前に立っていた。


続く

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