私が出てった日から毎日書かれていた。
1日1日の手紙の最後には[早く帰ってきてほしい]と書かれていた。
1番上の手紙には「帰ってきたら旅行いこう」と書いてあった。
普段は店に行ってから出前をとってご飯を食べるはずが、テーブルの上にはコンビニ食のゴミが散らかされていた。私は泣きながら寝ている修二に抱きついた。髭がのびていた。
「ごめんね。ただいま」
寝ているはずの修二が私をソファーの上に抱き寄せて言った。
「おかえりなさい」
いつまでも泣き止まない私の頭ををいつまでも撫でてくれた。
それからしばらく浩司のことや店を辞めてからの仕事探し、大変なことがつづいた。
けれど、1年後修二のスーツをハンガーに掛けて子供を見送るエプロン姿の裕子は幸せいっぱいだった。