私は真っ赤になりながら走った。
そして……目の前に眩しいくらいの青空が広がった。
「俺の特等席。誰にも教えてないからお前も誰にも言うなよ!」
彼は照れ臭そうに私の手をひいた。
そこは…屋上の扉の上な屋根!
もちろん立ち入り禁止の場所で、いつもなら登るのも怖いくらいな場所なのに、なぜか彼と一緒だと全く怖さなんて感じなかった。
空がこんなにキレイだったなんて…。
言葉に出来ないくらいにキレイだった。
彼と私は今、同じく景色を見ている。
それだけの事なのに、本当に嬉しかった。
今なら太陽が掴めそうな気がした…。