愛される資格がないと言い切ったスグルくん。
私は疑問を口に出した。
「愛されるのに資格が必要なの?」
スグルくんは私を見た。
そして
「今までそう言われて疎まれてきた…。」
私は答えた。
「それはその人たちが間違えているのね。
愛されるのに資格がいるなら愛するのにも資格がほしいじゃない?
でも、私はスグルくんを愛している。
だから資格なんていらないよ。」
スグルくんはぼーっとした口調で話した。
「俺…
泣いたりしてごめん。
サヤカちゃんには本当の俺を知っててほしくて。
情けない男だろ?
こんな奴やめておきなよ。」
言いながらスグルくんは下を向いた。
私はスグルくんの向かい側に三角座りをしてスグルくんの顔を除き込んだ。
「ねぇ、スグルくん。
これもスグルくんなんだよ?
いいじゃない。
涙を流すスグルくんも素敵だよ。
涙は純粋だから流れるんだよ?
だから、スグルくんは綺麗だよ。」
私の言葉にスグルくんは笑って言った。
「じゃあ、付き合ってみようか?」
私は
「うん!!」
と言うとスグルくんは
「サヤカちゃんとなら何か変わるかもしれない。」
と小さく呟いた。
そして私とスグルくんは手を繋いで帰っていった。
きっとこれは帰り道ではなくて始まりの道。