知ってるよ。
あなたの隣にあの人がいるとき、
あなたの瞳にあたしはうつらないこと。
でも、あなた知らないでしょ。
あたしは誰といても
あなたしか瞳にうつらないこと。
――…?…――
『やっ違…』
『やだ!ヨシが照れてる!ちょっと亜美ちゃん!あたしそんなに綺麗?!』
何度も言わせないでください。
『鈴木君、泉先輩が綺麗だからって、朝からボーっとしてると車に引かれちゃうよ。』
『沢木っ!』
鈴木君は顔を真っ赤にしてあたしの頭をひじでこつんとする。
『あー女の子に暴力ふるった。』
『泉先輩がからかうからっ』
『言い訳しないの!』
『先輩っ!』
鈴木君にこづかれた頭を、手でおさえる。
あたしきっと今顔真っ赤。
『………亜美ちゃん?大丈夫?』
『沢木顔赤いけど、熱でもあんの?』
ハッと我にかえって
『ぜ、全然大丈夫です!』
と笑って返事をする。
大丈夫なんかじゃない。
いろんなことで、胸がいっぱいだよ。