角砂糖が溶けていくように?

紗弥佳  2009-09-24投稿
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「どうしたの?」

優しい声。優しい指。優しい腕。優しい手。
もうだめだ。
はじめから行き止まりなのは分かっている。
でもこの行き止まりに今は居たい。
指先でずっと涙を拭ってくれている。
そして、唇が頬に触れる。
涙を拭っていた指が唇に代わった。
そして、頬に伝い続ける涙を拭いきらないうちに唇と重なった。
私達はそのまま倒れ込んだ。

優しい声。優しい指。優しい腕。優しい手。優しい唇。
もうだめかもしれない。
今、このときだけでも。
今、この一瞬だけだったとしても。
嘘じゃなかった。
「お願い。側にいて。離さないで。」
彼の耳許で囁いた。
もうだめだった。
どうしようもなかった。
どうしようもないくらいに、触れていたかった。
求められていることが幸せだった。

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