知ってるよ。
あなたが先輩を大好きなこと。
でも、先輩には他に好きなひとがいるから
誰にも言わずに黙ってること。
でも、あなた知らないでしょ。
あたしは、あなたが先輩のこと大好きな気持ち以上に
あなたのこと大好きなんだよ。
――…?…――
『おはよーあみっ!』
朝から親友は元気がいい。
『おはようのりちゃん。』
『どうしたー?元気ないぞ。』
複雑な登校だったんです。
『泉先輩?』
『………まぁいろいろ。』
今日に限ったことじゃないんだけど。
『あみ、早く告白しちゃいなよ。』
『えぇっ!?』
『だって、片想いしてからもう半年は経ってるでしょ?』
『うぅ………』
片想いっていうより、一目惚れ。
頑張って野球やってる姿を毎日見てたら
なんだか"素敵だな"って思った。
それから
ずっとずっと
勝手に片想いしてる。
これっぽっちも気が付いてくれないのには
さすがに最近堪えきれないものがある。