知ってるよ。
あたしの片想いが報われないことくらい。
でも、あなた知らないでしょ。
いじわる言うようだけど、
あなたの片想いだって
報われないんだよ。
――…?…――
『ゆうたのせいで髪ぐしゃぐしゃっ』
あたしは怒りながら髪をなおす。
『なんだよ嬉しいくせに。』
『ばか!』
ゆうたはこうやって、あたしが落ち込んでると必ずからかってくる。
昔からそう。
『あたしそろそろ教室いくね。あみ、元気出してよ!』
『えっ…ちょっと待っ…』
『ゆうたくん、あみを頼んだ。』
のりちゃんは、パタパタと隣の教室に戻ってしまった。