恋か愛か

RINNE  2009-09-25投稿
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私は彼女に出逢った。彼女は美しい。誰よりも。  私は彼女の美しさに支配された。美しい彼女、醜い私。彼女の美しさが、私の醜さを照らす。  
彼女を私だけのものにしたい。誰にも渡したくない。彼女の躰の上を男たちが通り過ぎる。苦しくてたまらない。昨夜の男の残り香を漂わせ、彼女は私に触れる。物悲しさと快楽が同時に私を襲う
罪深い愛。
私は夫を愛している。心から。ただ躰が彼女を求める。夫の愛を受け入れる夜さえ、彼女の唇の温もりを思い浮かべる。
私には彼女が必要だった。神の如き彼女の美しさに一瞬でも触れる事が私には必要だった。
夫と交す愛の言葉に偽りはない。ただ、私は、今彼女と静けさの中交す愛を言葉より求めている。隣に眠る夫。私の愛を疑っていない夫。
月明かりに照らされる夫の寝顔が、真昼の陽射しに照らされた彼女と重なる。奇蹟のような彼女の唇を想いながら、夫の唇に触れた。私は夫を愛している。
躰だけが、彼女を求める。



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