「今日カラオケいこー?」
「なんでやねん
今日はスタジオで練習て
ゆうてたやろ
てゆうか波音、
おまえペット(トランペット)はー?」
だるそうな波音に
校門でようとしたところで
拓朗がつっこむ
「…教室に置いてきちゃった」
「何してんねん!
今日練習ゆうたやん」
校門の前で6人は立ち止まる
「今日は遊ぼうやー」
「あかん、もう慶ちゃんも聖二も
待たしてんねんから」
スタジオの前では
先に学校をでたドラム(dr)の慶太郎と
トロンボーン(tb)の聖二が
待っている
「うちが荷物持っといたるから
はーちゃん、はよ取っておいで」
秋奈が優しく声をかける
「じゃあ俺もついてったる!
翼、荷物おねがい!」
「もうはよしてやー
俺、はやくギター弾きたい!」
猛からベースを受け取り
翼は文句を言う
「ほんまタケはいっつも
波音にくっつくなあ」
二人の後ろ姿を見ながら
美弥はサックスを背負いなおす
「たくろー、もうあの2人置いて
先行こうやー」
ほんま人数多いと
めんどくさい、と
拓朗は思う
「…8人もおるバンドって
めんどいなあ」
じゃあ減らす?
拓朗の言葉に美弥が
笑いながら聞いた