「まずはお酒は飲めるかね。カクテル、焼酎、ワインどうかね?」
「はい。焼酎は苦手ですが、カクテル、ワインならいくらでもいけます。」
「よろしい。今まで付き合った人数は?」孝一はギクっとした。こんなプライベートな事を聞くなんて。
「8人です。」
「二ケタには足してないようだね。セックスは好きかね?」孝一は唖然とした。面接でこんな事聞くなんて。
「どちらかと言えば好きな方です。」
「ふん、君の言うセックスは少なくとも自分の彼女や容姿の良い女性とのセックスだと思うが、不細工やおばさんでも抱けるかね。」
おぃ、何言ってんだぁこの人は。そんなのできる訳ねぇじゃん。でも孝一は「はい。」と言ってしまった。
「よろしい。君は優秀な人員になれそうだ。最後に君の座右の銘と女性を例えるなら何?っという質問に答えて頂きたい。言えるかね?」
「はい。座右の銘は゛不撓不屈゛です。何事も諦めず努力することをモットーにしてます。そして女性を例えるならフルーツです。世の中の女性は人それぞれ美しさや魅力が違うんです。フルーツにように人によって感じられる甘さが違うんです。」と孝一は雄弁に語った。
「実に良い考えだ。君にはユーモアのセンスも兼ね備えられてるね。私は君を採用する事に決めたよ。」
「有り難うございます。」と嬉しそうに言った。
「君の事を期待してるよ。早速、明日から仕事をしてもらうよ。」
孝一はホッとして店を出た。とても風変わりな質問を余儀なくされたが、彼の心の中は闘志がメラメラと湧いていた。
「絶対にナンバーワンになってやる。俺はこの町の頂点に登りつめてやる!」
今日も歌舞伎町は雑踏と喧騒に包まれている・・・。