ソア「シード〜!」
手を振って向かって来る、ソアの姿があった。
シード「ソア!」
ソアは車椅子を押していた。
車椅子には美しい女性が座っている。
それはソアの母親だった。
ソア「紹介するね。俺の母さん。美人だろ。」
自慢気に紹介した。
とても嬉しそうに
照れるように
紹介するソアを見て、
母親の事が本当に大好きだと分かる。
ロラン「ようこそアセンズへ。歓迎します。」
母親はなんの反応もしめさなかった。
ゲイル「……」
ソア「ごめん母さん分からないんだ。」
ロラン「分からない‥それは‥」
ソア「なんにも」
どうして
笑うんだろう。
どうして
笑っていられる。
どうして
ソアだけは違うと思ってしまったんだろう。
こんな世の中で
ソアだけは
幸せな時を
過ごして‥。
あの笑顔は
幸せだからあるのだと
ソアは母の前に座り
視線を合わせる。
決して答えない母
それでも
しっかり見つめ。
ソア「母さん。今日からここが俺たちの家だよ。」
優しい声。
淋しい沈黙。
ずっとこうして
話していたんだろう。
ソアは待っているんだろいか?
沈黙が
破られる
そのときを‥。