『こんにちは!セロル美容室です、よろしくお願いします!……』
ざわつく駅。
(今日もアカンかぁ…)
『チラシ配りやめやっ!』
???『あっ!』
向こうから二人組の高校生が歩いてくる。
???『智也君やん!』
『おぉ!あきやん!』
中学時代の友達だった。
『久しぶりやなぁ!…その子は?』
あき『あいかちゃんって言うねん!』
あいか『は、はじめまして!美容師してるんですか?』
『そやでぇ!見習いやけど…!よかったらチラシもらって!ははっ!』
笑ってごまかす。
自分の中で何かに惹かれたのも気付いていたのに。
あいか『じゃあ、もらっていく!』
プルルルル…プルルルル
俺の携帯が鳴る。
『あっ、店からや…んな、もぉ行かな。ごめんなぁ、いつもここでチラシ配ってるから、また声かけてなぁ!んなバイバイ!』
二人『うん!バイバぁイ!』
これがきっかけだった。
ある日、いつものようにざわつく駅。
『こんにちは!セロル美容室です…』
あき『智也君!』
『おぉ!また会ったな!今日はあの子は?』
あき『今日は彼氏とデートやから、先帰った!』
『そ、そっかぁ…デートかっ!いいなぁ!』
(彼氏おったんかぃ!)
あき『あっ!そう言えば、あいかが連絡先知りたがってたで!』
『本間ッッ!!??』
すごく食いついた俺。
あき『うん!教えていいん?』
『全然オッケー!全然オッケー!』
言ったものの、考える。
(彼氏おるのにいいんか…?)
あき『じゃあ、今日の夜メール送ってくると思うから!』
『わかった!わざわざありがとうなぁ!』
夜
(あぁ〜!まだこーへんやん!)
ベットの上で、かれこれ2時間メールを待つ俺。
夜11時。
ブーブー
携帯のマナーモードが鳴る。
(あっ!!待ってましたぁ!)
メールを見る
『この前駅で会ったあいかです!アドレス教えてもらってありがとうございます!』
今日でメールして3日目
あいか『彼氏と別れたんで付き合って下さい!』
『えっ?』