隣の男の子 1章 2話
高鳴る鼓動を隠せないままサツキはもいただいたタオルを抱きしめたままテレビの前に座った。
何も言わなくてもテレビがひとりで話してくれている。
けれど、サツキの頭の中は狭山民夫くんのことで頭が真っ白なような…パニックのような…。
ぼ−っとしていると
ピンポーン
チャイムが鳴る。
狭山民夫くんが挨拶にきて1時間ほど後のことだった。
サツキははっとして玄関へ。
「はーい!
どちら様ですか?」
「すみません。
狭山民夫です。」
サツキは慌てて髪を整えて扉を開ける。
「どうしたの?」
サツキが聞くと狭山民夫は悪そうな顔をして
「ここらへんってコンビニかスーパーって何処にあります?」
(そんなことか。)
サツキは心で呟いて
「一緒に行くよ。
案内するよー。
ちょっと待ってて。」
サツキはチャンスだと思ったのだ。
慌てて支度を整えて高鳴る鼓動を押さえて家の鍵をしめた。
「さあ
行こう☆」
時間はお昼。
太陽の日差しがまだ暖かい9月の空の下。
サツキは幸せだった。
こんな爽やかな少年と一緒に歩けて♪
歩きながらサツキは聞いた。
「なんて呼べばいいかな?」
狭山民夫は答えた。
「きっと俺のこと年下だと思っているでしょう?」
サツキは目をパチクリさせた…!!!
(どうみても年下でしょ!?)
サツキの心が聞こえたかのように狭山民夫は答えた。
「32です。
民夫でお願いします。
サツキちゃんって呼んでもいいかな?」
ちょっと意地悪そうな可愛い笑顔の民夫。
サヤカは
「うん。」
と答えた。
(絶対に私より年下だと思ったのに!
どーみても19か20でしょー?)
サツキは心の中で叫んだ。