奈々ちゃんは、妖力のコントロールが出来るようになってきて、予知能力が身についたらしい…。
「あのめぐみさんって人、危ないわよ…。」
奈々ちゃんはしかめっつらをして僕らに話す。
「危ないって…どうゆうことだよ。」
「死神様もわかっていると思うけど、あの人魂がないわ…。」
魂がない…。
ということは…
死人…。
「ぢゃあ…ダメじゃん!!死神の後追っかけないと!!」
僕は慌てて死神を追いかけようとした。
「まぁ、待てって!まだ話があんだよ。」
ライアンは僕の服を引っ張り僕を止める。
「何で止めんだよ!」
ライアンの手を振り払い睨みつける。
「死神は大丈夫だよ。それより、周り見てみろよ。」
気が付くと、周りには人間とは思えない顔をしてる人達が、僕らを囲んでいた。
「わ〜ん。おばけがいっぱい〜。」
怖がってるフリをするエリン。
「お前だってある意味おばけだろ!わめくな!」
僕らは後ずさりしながら…
「とにかく、奈々ちゃんは戦えないから、エリンが連れて…。」
と言いかけると…。
エリンがいない!!
「エリン!!どこ行った?!」
僕は大声をだして捜す。
「絵美ちゃんなら…。」
奈々ちゃんが指差す方には、ペンドラゴンのエリン…。
「エリン…怒ってんじゃねぇのか…?」
ライアンは身震い。
「えっ??何で怒るんだよ??」
僕は訳がわからない…。
「おばけって言ったからじゃないの…?」
奈々ちゃんは冷たい目線で僕を見る。
(それだけで怒るなよ〜!)
僕は慌ててエリンを止めに入る。
相当怒っているエリン。
(怖ぇ………。)
「エリン!!謝るから!!もう止めてくれ!!」
「こんな奴らが出てきたから、あたしまでおばけ扱いなのは許せな〜い!!消してやる〜!!」
どうやら自分を忘れてないみたいだ…。
「ホントの人間は時が止まって動いてないから…ここは絵美ちゃんに任せていいんじゃないかな…?」
苦笑いをしながら奈々ちゃんは言う。
「それもそうだな…。」
僕もライアンも苦笑い…。
しかし…。
倒しても倒しても、きりがない程出てくる。
「これ…どうなってんだよ…。」