12,再会
サイの徹夜の回数は前に比べとても減っていた。１週間に１度だった睡眠も、今では４日に１度にまでなっていた。しかし今回はかなり惜しい所まで来ていたので、アスペクトに「寝た方が良いですよ」と言われる１３日目まで睡眠を取らなかった。さすがのサイも睡眠不足を感じ、深い深い眠りに就いた。
よく夢を見るサイも、この日の夢は現実味を帯びているように感じた。そこは見る限りではProdigy Roomだった。部屋を出ようとしたサイの前に立っていたのは…
ブラッドレイだった。これまで見たことないような笑顔だった。何故かサイは自分の意思を平常通り保てていたので、話したいことを話すことができた。
「ブラッドレイ！…お久しぶりです…。まさかこんな所であなたにお会いできるなんて…。」
「サイ…ワシの不徳でお前達に負担をかけ、すまないと思っている…。」
ブラッドレイは両手両膝を地に付け、頭を下げた。
「ぶっ…ブラッドレイ！頭をお上げください！あなたは何も悪くありません！」
ブラッドレイはまだすまなそうに、落ち込んだ眼をしていた。
「いいや、ワシのせいだ。ギルバルドの事は予てより疑っていたのだ。スナッフルだとは解らなかったが、トロイモクバだとは解っていたからな…。」
「さて、サイ。全く何事も分からないことだが、ワシは確かに死んだのに、こうやってお前と会話する機会が持てた。レイドと同じことが起こる保証はない故に、お前にワシの生前の考えを全て話しておこうと思う。全てに関してまずは反論しないでくれ。話し終わった後、その機会はもつ。」
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