13,精製
レイドもサイの意見に賛成した（サイの超自然現象についてはあえて突っ込まなかったのだろうが）。さっそくスナッフルの研究所に行ってコカトリスの羽を見つけ出し、実験に入った。
実に呆気無かった。実に簡単なことだった。実に馬鹿らしかった。天才ゆえの落とし穴と言うべきか、データに囚われ実験しなかった方法がうまくいったのだ。これには４人も思わず笑ってしまった。
「ハッハッハッ…こんな事だったとは…やはり自然には、データではどうしても表すことの出来ないものがあるのだな…。」
サイは口と声こそ笑っていたが、眼は落ち込んでいた。レイドは全てを察した様子でサイの肩を叩いた。
「サイ…何を落ち込む必要がある？そもそも夢という物は深層心理が表わされるものだ。お前は偶々ブラッドレイを見たが、その実頭のどこかでこの方法を既に怪しんでいたということだ。つまり、今回の手柄は他でもない、お前のものだ！」
サイは顔をあげた。生半可な友情ならサイはレイドに組みかかっただろう。しかしこの２人の間においてそれは無駄な心配だった。サイは濡らしてしまうことも躊躇わずレイドと抱き合った。
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