「私が、悪いんです・・・」
李那は、小さな声で言った。
「いいんだよ、李那。また探すから」
怜は、李那の肩を叩きながら言う。
「でも、どーやって探すんだよ・・・」
啓吾はムッとした顔で言う。
「それは・・・」
怜は、下を向く。
「大丈夫です。俺が探します」
と、由宇が言うと怜達は驚いて由宇の方を見た。
「由宇。できるの?」
李那は心配そうに言う。
「うん。もぅ分かってるよ。奴はこの先にある森の中に逃げ込んだんだ」
「そぅ言えば、2人の能力聞いてなかったね」
凛が言う。
「俺は、木を操る能力!」
「私は、弓を操る能力」
「へぇ、だから奴の居場所が分かるんだ」
怜は、関心したように言う。
「うん。この辺は木が多いから」
周りを見ると、道路に沿って10?置きに木が植えられている。
「じゃ、早く捕まえに行こう!!」
と、凛が言う。怜は、小さく頷いた。そして、由宇を先頭に走り出した。
「ココだ」
啓吾達が辿り着いたのは森の中にある小さな木で出来た小屋だった。
「どぉする?出てくるのを待つ?」
と、凛が小さな声で言う。
「いや、それじゃぁ時間がなくなっちゃう」
「直接殴りこみで・・・」
「馬鹿じゃないの?!」
啓吾の思いつきに怜が突っ込む。凛は、人差し指を口の前に立てて言った。
「しーっ!気づかれちゃうよ」
と、凛が言うと怜はハッとして、口に手をやった。
「大丈夫。ちゃんと策はあるから」
と、言うと由宇は皆に聞こえるように作戦を話した。
「・・・了解」
と、皆一斉に言った。5人は、静かに家の周りを取り囲んだ。
「いきますよ・・・」
由宇は両手を家のほうに突き出した。すると、由宇の手が光りだす。家をよく見ると、家の木がドンドン縮まって最後には木の芽になってしまった。