17,デボネア
デスティンは白衣を脱ぎ棄て、2人を睨みつけた。
「さて、次はお前達の番だ。」
2人は困惑の表情だった。サイは信じられないという顔と、やはりという顔をしていた。
「デスティン…お前が…お前がトロイモクバだったのか?」
「ハハハハハッ!せっかくだから教えてやろう!この俺こそ、リチャード卿の右腕、デボネアだ!」
サイの頭を様々な事がよぎっていた。馬鹿な…ちゃんと調べたのに…
ザシュッ!
サイが顔をあげると、レイドが自分の前に立っていた。デボネアが自分にコカトリスの毒を打とうとしたのをレイドが庇ってくれていたのだ。
「レイド!」
「サイ…早く逃げろ…この部屋のあそこのポスターの裏に隠し通路がある…そこから外に…逃げるんだ…はや…く……」
レイドはデボネアを羽交い絞めにした。サイは断腸の思いで走り出し、ポスターの裏に入った。しばらくトンネルが続いたが、やがて光がさした。その先は…