20,エピローグ
それから１週間が経っていた。事後処理をサイも手伝っていた。
知らず知らず、サイはRaid Child Or Ramに来ていた。１大学の教授として仲間がいないわけではなかったが、サイが信頼する者は誰１人いなかった。それゆえ１人になりたい気持ちがあったのだろう、誰も処理に行きたがらなかったそこに足を運んでいた。
当然全焼していた。が、１ヶ所のみ全く焦げてすらない場所があった。それは、レイドの金庫だった。創世の天才は暗証番号など苦もなく分かった。開けてみると、トロイモクバの幹部の名簿と１冊のノートがあった。ノートを開いてみると…
日記のようだった。作者は『サイ・クリア』と書いてある。不思議に思い読んでみた。
日記とは言い難い、１つの小説だった。レイドが最後に言ったNever Ending Storyという言葉で締めくくられていた。
【自分の気持ちに気付いているか否か、そこには天と地程の差があるという事を知らねばならん。】
【自分が果てしの無い物語の一部だという事に気付いてないのだ。】
【失って人生が歪む位、本当に大事に想っていたんだろ？気持ち…分かってやれよ…。】
【ちょうど雨が無ければ虹も出ないように…。】
【…これからもずっと…】
………………すいません、語り手の私がつい感傷に浸ってしまいました。
[457] 
[0] 
[0]
