お前のその悲しみも痛みもすべて波がこの海が洗い連れ去ってくれるから。 海の見える町に住む少年はそう言って私を慰めた。海のように穏やかなこえで。 塩の香りの染み着いた腕で私を包み込み、頭を撫でてくれた。 ああ、本当だ。海が何もかも癒すというのは本当なんだ……。海に抱かれた私はそう思って泣いた。私も海になったかのようだった。
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