気持ちが悪い。
もう2日も食べていない。与えられるのは水だけ…。
僕ら3人は3日前にこの廃墟と化した洋館に肝試しにやって来た。
きっかけは暇潰し
…そう
…軽い遊びのはずだった…
〜3日前〜
「あ〜暇だ。どっか面白そうなとこないの?」
「武雄…うるさい」
「まぁまぁ亜季、どっか探すから怒んなよ」
「そうそう。貴士の言う通りだよ。」
僕ら3人は小さい頃からの腐れ縁で休みの度に集まっていた。
今回は夏の締め括りに心霊スポット巡り。
僕は次の場所を決めようと車を路肩に停め、亜季と雑誌をめくっていた。
「…なぁ」
「ん〜?」
肩を叩かれ、後ろを見ると武雄が窓の外の何かを見つめている。
「なにかあんの?」と僕は武雄が見ている方に目を向けた。
すると武雄が指を指しながら
「廃墟…こんな民家もない場所に…廃墟あるぜ」
っとにやにやしながら言った。
行こうぜと目が言っている。
「なになに?廃墟?行ってみようよ!」
亜季が助手席から会話に混ざる。
「決定だな!」
「うん!!」
2人は僕の返事を待たずにさっさと降りてしまった。
「貴士ぃ?なにしてんの?置いてっちゃうよ!」
2人に促され僕も廃墟へと向かった。