リレー小説「隣の男の子」1章4話
「好きな食べ物とかあります?」
民生がにこやかに問い掛ける。
(この笑顔はたまらなくかわいい…。)
そんな事思いながら…。
「えっと…。カレーとかかなぁ…?」
わざと目線を反らしかわいらしく答える。
「わかりました♪」
民生は嬉しそうに返事をしてカートを押していく。
(なんか同棲してるカップルみたい…。)
サツキの頭の中はそんな妄想でいっぱいになる。
買い物も終わり、サツキが日用品を持ち、民生が食料を両手にぶら下げた。
帰り道も、サツキの胸の鼓動は早かった。
聞いてみたい気もする質問…。
彼女がいるのか…
バツイチなのか…
仕事は…?
考えていると民生の方から話しかけてきた。
「サツキちゃんて学生なの?」
(へっ?)
目を点にして民生をみる。
「あれ?違う?じゃあ…OLさん?」
ニコニコしながら民生は質問をする。
サツキは頷き頬を染めた。
(なんでそんなに微笑むの〜。ドキドキする〜。)
「そうなんだ〜。仕事は大変?楽しい?」
いろいろ質問攻めにあいながら、ようやく家に着く。
質問されまくって、ほとんどサツキは民生に質問が出来なかった。
(今度は、あたしが質問しなくちゃ!)
そう、まだチャンスはある。
焦っても仕方ない!
それがサツキのモットーなのだ。
ゆっくり、話しをしていこう…。
と心の中で呟いた。
「じゃあ、食事出来たら呼ぶから部屋で待ってて♪」
と言って、民生は自分の部屋へ戻ってゆく。
待っている間、何を話そうか考えるサツキ…。
この数時間で、すっかりと民生にはまっていた。