角砂糖が溶けていくように ??

紗弥佳  2009-09-29投稿
閲覧数[373] 良い投票[0] 悪い投票[0]

少しあけてある窓の隙間から、風が入ってカーテンが気持ちよさそうに揺れている。

昼間はまだ暑いときもあるけれども、夜は涼しくて入ってきた風に頬を撫でられると心地良い。

そんな中、梨花とこうしてふたりで笑い合っていられる。

ふたりともカフェに出かけるのが好きで、そこで他愛もない話をして、僕はカフェオレで、梨花はブラック。
お店の中を漂うコーヒーの香ばしくて、なんだかゆったりと時間が流れていくように感じる香り。
そんな中でこんな風に笑い合っていられる時間も好きだけれども。
こうしてふたりだけでまだ夏が終わりきっていない秋の真夜中の涼しい夜風が部屋を通っていく中で笑い合っていられるのも好きだ。

眠れなくて、たぶん昔有った出来事を思い出したりとか、梨花の言葉をかりれば孤独が呼びかけてきて、扉を開けて手招きをしてきたのか、何が梨花を少しだけ泣かせたのかは分からないけれども、梨花を笑顔に出来るのなら、僕がこだわって買っている不揃いな角砂糖のペルーシュ・ブラウンを梨花があの音を聴くために沢山入れて無駄にしてしまって、甘すぎるコーヒーを知らない振りをして飲むことくらいいくらでもしようと思う。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 紗弥佳 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ