蜜の誘惑 三

ぽち  2006-08-03投稿
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―気がつけば俺はまたあの公園に来ていた―\r


空はすっかり暗く沈んでいたが、少女はいなかった。

昨日彼女が座っていたベンチに腰をかける。



何時間待っても彼女は現れない

次第に隼人は睡魔と戦っていた。
頭が縦に揺れている




やっぱりあれは夢だったのか…





風が吹いた。


あの香りをのせて…



―リリィだ…!!


勢いよく目を開き、匂いのする方向へ顔を向ける。




そこにはにっこりと微笑むリリィの姿がいた。



―夢じゃなかったんだ!!

隼人は彼女に駆け寄りキツく抱きしめた。


またあの不思議な香りが隼人を包み込んでいった。


「あなた本当にこの香り好きなのね…」

リリィは嫌がりもせず、優しく隼人の頭を撫でる。


昨日より香りは弱く感じたが、それでも隼人の心は満たされていた。


「離れたくない…」

彼女から離れようともせず、必死に抱きしめる


「もう、本当子どもみたいな子ね。でも今日はこれまで。私だって暇じゃないのよ、ごめんね」


そのとき彼女はそっと隼人にキスをした。


抱きしめることよりもキスの方が何倍と香りが広がる。



隼人はまた意識が消えて行くのを感じた。


―どうして?
嫌だ…離れたくないんだよ


意識を失う隼人に尚も笑顔で見つめるリリィ




隼人はすっかり香りの虜となっていた


―続く―

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