「はやと君、ずーっとここにいてもいいよ。」
「な、何言ってるんだよ。」
「どうせ、一人なんだし。」
「彼氏さん、いるんでしょ。」「えぇ、います。でも彼は出張中。」
「出張に行ってるのかぁ。」
「うん。本当は行ってほしくなかったんだけどね。」
「そっかぁ…。」
「ねぇ、お腹すきません?」
「すいた。何か作るよ。」
「冷蔵庫にある物で勝手に使っていいですよ。」
「おぉ。」
はやとは、キッチン台に向かった。はやとは冷蔵庫の中をみた。
「キャベツ、もやし、玉ねぎ、ウィンナー、よし全部ある。ミラクル丼、作ろう。優美ちゃんも喜ぶだろうよ。」
はやとは、優美の喜ぶ顔が見たかった。その頃、優美は浩輔から電話がきてた。
{浩輔、やっときた。寂しかったよ。}
{優美、お弁当おいしかった。俺の大好きな海老フライが入ってたし。優美の声を聞くとホッとするなぁ。}
{優美だって、浩輔の声を聞くとねぇ。ライブはうまくいってる?}
{おぅ、うまくいってるよ。なぁ・・・、夜の9時にテレビをつけてみぃ。いい事あるぞ。}
{いい事って何?}
{見てからのお楽しみ。}
{うん。楽しみにしてるね。}{鹿児島は、桜島って言う山があるんだって、すごい大きい山だったよ。}
{優美も見てみたい。何で桜島って言うんだろうね。}
{本当だよな。}
「優美ちゃん、出来たよ。」
{誰かいるのかぁ?}
{うん。ちょっとねぇ。}
{男なのかぁ。誰だ。}
{・・・・・・。}
「優美ちゃん、出来たよ。早く食べよう。」
優美は、小さい声ではやとに言った。
「うん。後少ししたらいく。」{優美、本当に男じゃないんだよな。}
{うん。}
{なら、分かった。また電話するな。}
{うん。あっ!}
{うん?どうした。}
{あのねぇ、家にはやと君がいるんだ。優美が呼んだの。大丈夫だよ、何もないしただの友達だよ。}
{やっぱりなぁ。でも、ありがとう。言ってくれて。}
{うん。優美、嘘つけないから。嘘ついたら嘘つかれた人が可哀想なんだもん。}
{そうだな。早く帰らせろよ。}
{うん。}
{じゃあなぁ。}
{バイバーイ。頑張ってねぇ。}
優美は、浩輔と電話を切って、はやとの待つ飯台に向かった。