隣の男の子 第1章
第2話
サツキは自分の部屋に入るなり座り込んだ。
そして民夫を思った。
爽やかな笑顔。
スタイルの良い背格好。
そして20代には見えるイケメンの30代。
サツキの静かな部屋の隣部屋から料理の音。
サツキはドキドキした。
そして心に決めた。
(食事の時には私から質問しよう!)
サツキはお風呂に入った。
お風呂から出て髪を乾かしているとチャイムがなった。
サツキは慌てて出た。
「水も滴るいい女だね。」
民夫に言われてサツキは照れる。
サツキの長い髪から雫が落ちる。
サツキは照れる。
朝からこんなパターン。
「こんな姿でゴメン。」
サツキはついタメ口で民夫に謝った。
「いいんだよ。
髪を乾かしたらおいで。」
民夫の前に出ると大人しくなるサツキ。
頷いて返事をした。
じゃあ、と言って民夫は部屋に戻って言った。
サツキは急いで髪を乾かした。
そして急いで民夫の部屋に行った。
チャイムを鳴らすと
「鍵、空いているから入っておいで!」
ドアの中から民夫の声。
サツキは
「おじゃましまーす。」
と言ってそーっと入ると
「いらっしゃい。」
民夫が爽やかに言う。
「まだ部屋が片付かなくて散らかっていてごめんね。」
民夫の言葉とは裏腹に少しの段ボールだけで綺麗にされた部屋。
一人暮らしの男の子とは思えないほどの綺麗さ。
(一人暮らし長いのかな?
それとも几帳面なだけ?)
サツキが考えていると
「どうぞ。」
と椅子を引いてくれた。
サツキは照れ臭そうに座って
「どうも。」
と言った。
そして思い切って彼女がいるか聞こうとした時に
「サツキちゃんって彼氏いる?」
と逆に聞かれてしまった。
「いたら、俺、彼氏に怒られちゃうな…。」
サツキは
「い、いません!!」
としどろもどろにはっきり答えて
「民夫さんこそ…いるんじゃないんですか?」
とやっとの思いで聞いた。