「うわっみっきーが褒めてる」
さっきまで光希を恐れていた
猛までみっきーと呼んだ
「そんなに俺かっこよかったー?」
「誰もお前褒めてへん
“みんな”や!」
「やったー!
みっきーが褒めてくれたあ」
そう言って喜ぶ波音に
親のように美弥が笑いかける
「じゃあ次はみっきー
弾いて★」
「え゙」
そこでやっと我にかえる
気付くとキーボードの前だ
「ほら★弾いてやあ!」
みんなの目が向けられる
「……じゃあ…少しだけ…」
そういって始まった光希の演奏に
まわりは静まり
心地よい緊張感に包まれる
「うわージャズだあ」
指はなめらかに滑り
ときに跳ね
そして力強い音が響く
「…かっこいー」
パチパチと大きく
翼が拍手を送る
「なあリーダー!
みっきーに入ってもらおうやあ」
「うちも賛成!!
絶対うちら最強バンドになる」
翼と波音が聖二の腕を
ひっぱる
「はーちゃんが言うなら
俺も賛成!」
猛が手をあげる
「うちも!」
「入ったらほんま最強やな」
秋奈と美弥も笑いあう
「んーたくと慶太郎は?」
「んー…賛成?
人数増えるけど」
「……せいちゃんに任せる」