開け放たれた窓から入ってくる夏が終わって秋になろうとしている真夜中の風と、電気を消して街灯の光が冷たく白い街灯の光が闇と混ざって焔青い部屋。
涙を手で拭いながら、梨花は僕に背を向けて窓の外に目を遣った。
「本当の笑顔を私にくれたのは淳だから、ずっと淳の隣で笑顔でいられたらいいと思ってるよ。」
そう言った梨花の声は、さっきまで涙を流して、悲しそうに弱く頷いていたとは思えないような、芯のある声だった。
「ずっと、隣にいられたらいいなじゃなくて、僕が梨花にずっと隣にいて欲しい。」
ずっと梨花に伝えたかったことをやっと伝えられた。