オタクさん、元気?≪38≫

防波堤  2009-10-04投稿
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鱒浦は取り出した円盤をわたしに見せると言った。


「あまりやばい命令ばかりしちゃアレだから、二人で命令を決めてルーレットやろう」


本当!?


「何だ、そんなに可笑しいか?」


うん、可笑しいよ。あの鱒浦が『気遣い』を知っていたなんて。


鱒浦は黙って円盤をわたしに渡すと呟いた。


「……俺ってどんなキャラだっけ…」


若者よ、大いに悩みたまえ。そして永遠に迷っていろ。


「どんな命令がいい?」


鱒浦がわたしに聞く。


「そうだなあ……」


わたしは円盤に油性マジックで『逆立ちで町内一周』と書いた。


鱒浦も油性マジックで『一発芸×100』と書いた。

わたしは負けじとマジックで『テレビ局を爆破』と書く。


鱒浦は淡々とマジックで『命綱無しのロッククライミング』と書く。

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