recall project #2

影の支配人  2009-10-04投稿
閲覧数[509] 良い投票[0] 悪い投票[0]

recall project #2

この日の夕食は少し豪勢だった。俺の受験の労いを込めてか。しかし俺は少し不安だった。
(私立高校はただでさえ金がかかるのに!)
「そんな心配しなくていいのよ」

「ガキのくせに金の心配なんてしなくていいのよ。なんとかするから、お前は学校に集中すればいい、ただそれだけよ。」
やはり親子、心の内がまる見え……侮れない。だが、また母に救われた。母の言葉が俺を安心させてくれる。いつもそうだった。とんでもない失敗をしても、悪いことをしても、最後は優しい言葉をかけてくれる。だから俺は母を少しでもラクにしてやりたかったけど……
明日は早い。俺は不安から解放され、ぐっすり眠った。

朝、目が覚める。今日は清明学園の説明会……まだ頭がボーッとしている。昨晩はホントよく寝たからね。今日は中学の制服で学校に向かう。身嗜みをいつも以上にきをつけて家を出た。
今日も母同行。昨日より清明学園の生徒(らしき人)は多く見られる。そして駅に着き、学校へ向かう。当然だが、皆緊張している(ように見える)。勿論俺も例外ではない。すぐに学校に着き、学園の先生方に体育館へと誘導された。まだ席は三分の一程度しか埋まっていない。各座席には大きい茶封筒が置かれていた。中に色んな書類が入ってるんだろうか?席に着くと、中身を物色する。すると、何やら不思議な小型の機械(?)を見つけた。
「こら、あまり色々漁らないの。無くしたら困るものばかりだから。」
母の声でその不可思議な機械を元に戻した。
そうこうしている間に時間になり、説明会は始まった。
”これより、清明学園説明会を開始致します。始めに、学園長挨拶です。”
進行役の先生がそう言うと、体育館の端から老けた人物が歩いてきた。
「春の桜は今年もめいいっぱいその花びらを開かせています。生徒諸君!清明学園への入学おめでとう。私も心から君達の御入学をお祝いします。この学園に入学した経緯は皆それぞれ違うとは思いますが、この学舎で色んなものを吸収し、己の未知なる可能性を十分に開花させて下さい……」
俺は、学園長の話を怠そうに聞いていた。早くあの「機械」の使用方法が知りたい、それだけだった。
「……この清明学園はとても就職率が高い学校で知られています。たくさんの企業が清明の生徒を高く評価しています。」

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 影の支配人 」さんの小説

もっと見る

学園物の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ