―「ごめん、
突然うるさい人と
変な人連れてきちゃって…」
俺の言葉に彼女は微笑み
引き出しから久々に見る
あのメモ帳とペンを
取り出した
『ううん、
普段は誰もこないから
賑やかで楽しい』
嬉しそうに笑う彼女とは
反対に俺はその文字に
少し心が痛んだ
今日までの間、
彼女はずっとこの病室に
一人だったのだろうか
「ゆかちゃん、よろしくねー」
直人の言葉に嬉しそうに
微笑みうなずく
ほんとにかわいいなあ
俺以外の人に
同じ様に笑いかける彼女を
初めて見た俺は少し嫉妬する
『こちらこそよろしくです』
「よろしくよろしく♪
本当にかわいらしいね」
「直人、調子のんな!」
「…拓也、不機嫌だな」
「…そんなことはない」
そう言って黙ると
袖を引っ張っられた
彼女は手をだしてと
催促する
俺はしぶしぶ手を差し出す
直人と真治は俺らを気にせず
2人で喋っている
『や』
『き』
『も』
『ち』
『?』
一文字ずつ書かれる
彼女の言葉に合わせて
俺も呟く
顔をあげたゆかは
にやっと笑った
「こらっ」